「自分のいびきで起きる」「日中の異常な眠気」は危険?睡眠時無呼吸症候群(SAS)のサイン
2026.04.10ご自身のいびきの音や、息が詰まるような感覚でハッと目が覚めた経験はないでしょうか。
あるいは、十分な時間の睡眠を摂っているはずなのに、昼間の会議中や運転中などに強い眠気に襲われることはありませんか。
これらの症状は、単なる「一時的な疲労」や「睡眠不足」として見過ごされがちですが、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」が隠れているサインかも知れません。
本記事では、これらの自覚症状がどのようなメカニズムで引き起こされているのか、そして放置することによる健康リスクについて解説いたします。
「自分のいびきで目が覚める」医学的メカニズム
いびきは、睡眠中に気道(空気の通り道)が狭くなり、そこを空気が無理に通過しようとする際に粘膜が振動することで発生します。この気道の狭窄がさらに進行し、完全に塞がってしまうと、呼吸が一時的に停止する「無呼吸」の状態に陥ります。
「自分のいびきで目が覚める」という現象は、単にいびきの音が大きいことだけが原因ではありません。気道が塞がり無呼吸状態が続くと、体内の血中酸素飽和度が低下します。すると、脳は生命の危機(低酸素状態)を察知し、呼吸を再開させるために無意識のうちに脳を一時的に覚醒させます。これを微小覚醒と呼びます。
脳が覚醒することで気道の筋肉が一時的に緊張を取り戻し、狭まっていた気道が急激に開通します。その際、肺に一気に空気を吸い込もうとするため、大きないびき音や「ガッ」というようなむせ返るような音が発生します。
すなわち、大半のケースでは、「自分のいびきで目が覚めた」時には、その前の瞬間にうっすら目が覚めている(微小覚醒)ということです。
たいていの患者様は、この微小覚醒のことは覚えていませんが、多い方では一晩に数百回以上起こっています。そのうち、いびきの音を伴うなどして覚醒まで至ったものが「自分のいびきで目が覚めた」として患者様に自覚されます。
日中の異常な眠気を引き起こす「睡眠の分断」
睡眠時無呼吸症候群のもう一つの特徴的なサインが、日中の強い眠気や集中力の低下です。
無呼吸による血中酸素の低下と、それに伴う脳の微小覚醒は、患者様自身に目を覚ましたという自覚がなくても、一晩のうちに数十回から数百回も繰り返されることがあります。この結果、脳や身体を深く休ませるためのノンレム睡眠(徐波睡眠)が極端に減少し、睡眠の質が大きく低下します。
どれだけ睡眠時間を長く確保しても、脳が休息を得られていないため、翌日に疲労感や眠気を持ち越してしまいます。
これが、日中のパフォーマンス低下を引き起こします。
睡眠時無呼吸症候群を放置した場合の健康リスク
これらのサインを「ただのいびき」「いつもの眠気」として放置することは、大きな健康リスクを伴います。
睡眠中の度重なる低酸素状態と微小覚醒は、交感神経を過剰に緊張させます。本来であれば休息すべき睡眠中に交感神経が高ぶり続けることで、心臓や血管には休む間もなく過度な負荷がかかり続けます。国内外の疫学研究において、中等症から重症の睡眠時無呼吸症候群を未治療のまま放置すると、健康な人と比較して高血圧、虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)、脳卒中、そして糖代謝の異常などの発症リスクが有意に上昇することが明らかになっています。
エイドクリニック池袋院の専門的なアプローチ
ご自身のいびきで目が覚めたり、日中の強い眠気を感じたりした場合、ご自身の主観的な感覚だけで判断せず、専門の医療機関で気道の状態や無呼吸の有無を客観的に評価することが不可欠です。
エイドクリニック池袋院では、初診時の丁寧な診察によって気道の状態を評価し、患者様の症状の根本的な原因を診断いたします。
気道の閉塞を引き起こしている原因が軟口蓋(上あごの奥)の粘膜の緩みにあると判断された場合、身体への負担を抑えた非侵襲的(身体を傷つけない)なレーザー治療が有効な選択肢となります。
当院では、粘膜の深層部に熱エネルギーを届けて組織を引き締める2波長レーザー(エイドレーザーおよびエイドレーザー Duo)を用い、手術による切除を行わずに上気道の状態を改善させます。
ご自身の睡眠について、冒頭で述べたような自覚症状のある方は、当院の初診カウンセリングにて、現在の状態についてご相談いただければと存じます。
【出典・参考ガイドライン】
・厚生労働省 e-ヘルスネット 睡眠時無呼吸症候群 / SAS
・日本呼吸器学会「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン」
・日本睡眠学会「睡眠障害の診断・治療ガイドライン」

